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Microsoft SQL Server 2016 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.4 Analysis Services の新機能」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2016 自習書シリーズの「No.4 Analysis Services の新機能」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。 なお、記載している内容は、2016年 9月時点での情報になります。[2018年12月29日]

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2.11 DirectQuery への変換

SQL Server 2016 の Analysis Services からは、Tabular Model の DirectQuery 機能が大きくパワーアップしました。これまでの DirectQuery では、計算列行レベル セキュリティがサポートされなかったり、MDX クライアントからアクセスできなかったり(Excel ピボット テーブルや Reporting Services からアクセスできなかったり)しましたが、これらがすべて解消されて、内部発行される SQL ステートメントも大幅な見直しが行われて、性能が劇的に向上しました。

また、SQL Server のデータベース エンジン側では、SQL Server 2016 で大きく進化したカラム ストア インデックスを利用していれば、さらに DirectQuery の性能を向上させることができます。

◆ DirectQuery の利用方法

DirectQuery を利用するのは、非常に簡単です。通常の Tabular Model と同様にモデルを作成した後に、[DirectQuery モード]プロパティを「オン」に設定するだけです。

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DirectQuery を有効化すると、Analysis Services 側にデータを保持しなくなるので、データには何も表示されなくなります。

なお、DirectQuery では、計算テーブルに対応していないので、これを含んでいる場合は、次のように「プロパティ値が無効です」と表示されます。

00222

DirectQuery を有効化できない場合には、次のように[エラー一覧]ウィンドウで有効化できない理由を確認することができます。

00223

DirectQuery では、Analysis Services 側にデータを保持しないで、SQL Server データベース エンジンからデータを取得する形になるので、Analysis Services 側で作成した計算テーブルに関してはサポートされていません。この動作の違いは、次のようになります。

00224

なお、この図では SQL Server を例にしていますが、SQL Server 2016 からは、Oracle や Teradata を利用している場合でも DirectQuery を利用できるようになっています。

◆ Analysis Services への配置(データのインポート不要)

DirectQuery を設定した Tabular Model は、通常と同じように Analysis Services に配置することができます。

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DirectQuery では、Analysis Services 側にデータを保持しないのでデータのインポートは必要ありません。メタ データの配置のみで済むので、配置はあっという間に完了します。

◆ [Excel で分析]では「フル データ ビュー」を選択

DirectQuery を設定した後は、SQL Server Data Tools の[Excel で分析]機能では、[DirectQuery 接続モード]で「フル データ ビュー」を選択して接続するようにします。

00226

もし「サンプル データ ビュー」を選択している場合は、次のように値が表示されないので注意してください。

00227

◆ DirectQuery で発行される SQL の確認 ~SQL Server Profiler~

DirectQuery を有効化すると、Analysis Services 側にはデータを保持しないようになり、クライアントからのアクセスがあったときに、内部的に SQL ステートメントが生成/発行されています。この動作は、SQL Server のデータベース エンジン側で SQL Server Profiler ツールを利用することで確認することができます(このツールは、Management Studio の[ツール]メニューから[SQL Server プロファイラー]をクリックして実行できます)。例えば、Excel ピボット テーブルで、商品区分ごとの受注金額を取得した場合は、次のように SQL が発行されています。

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このように SQL ステートメントが自動生成/発行されることで、Analysis Services サーバー側にデータを保持していなくても、データが取得できるようになっています。

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