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SQL Server 2012 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.12 Analysis Services によるインメモリ BI 入門」

松本美穂と松本崇博が執筆した完全オリジナル SQL Server 2012 自習書シリーズの「No.12 Analysis Services によるインメモリ BI 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2013年12月29日]

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2.7 ダイアグラム ビューの表示、階層の作成

◆ ダイアグラム ビューの表示、階層の作成

次に、テーブル モデル プロジェクトへ戻って、「ダイアグラム ビュー」と「階層」を試してみましょう。

1.ダイアグラム ビューを表示するには、次のように画面右下の[ダイアグラム]ボタンをクリックします。

00074

ダイアグラム ビューでは、テーブル間のリレーションシップをグラフィカルに表示/設定することができます。

2.次に、階層を作成してみましょう。「日付」テーブルの「」と「四半期」、「」を Ctrl キーを押しながら選択し、次のように右クリックして、[階層の作成]をクリックします。

00075

階層の名前は、「年階層」など任意に設定します。

3.作成後は、次のように[グリッド]ボタンをクリックして、データ ビュー(既定で表示されるテーブル形式のビュー)へ戻しておきます。

00076

4.次に、Excel 側へ戻って、ピボット テーブルを選択し、[オプション]タブの[更新]ボタンをクリックします。

00077

これにより、テーブル モデル側で変更があったものを、ピボット テーブル側へ反映できるようになります。

5.最新の情報に更新すると、「日付」テーブルの下に、作成した階層(年階層)が表示されるようになります。

00078

6.次に、[列ラベル]へ配置している「」および「四半期」の[]ボタンをクリックして、それぞれ[フィールドの削除]で削除します。

00079

7.列ラベル]が空になったら、今度は階層(年階層)をクリックして、[列ラベル]へ配置します。

00080

これにより、列ラベルには、(階層の一番上に設定したもの)が表示されることを確認できます。

8.次に、「」を展開すると、「四半期」が表示されて、四半期ごとの受注金額を表示できることを確認します。

00081

9.次に、「四半期」を展開すると、「」が表示されて、月ごとの受注金額を表示できることを確認します。

00082

このように、「」→「四半期」→「」のように一緒に利用する(階層関係があってドリルダウンして利用する)ことが多いフィールドに対しては、テーブル モデル側で「階層」を作成しておくことで、それを配置するだけで両方参照できるようになるので便利です。

◆ 商品階層(区分名 → 商品名)の作成

次に、商品階層(区分名 → 商品名)を作成してみましょう。しかし、階層は、同じテーブル内でしか作成できないという制約があるため、「区分名」は「商品区分」テーブル、「商品名」は「商品」テーブルに分かれているので、このままで階層を作成することができません。これを解決する方法が「RELATED」という関数(DAX 式で利用できる関数)です。この関数を利用すると、別のテーブルのデータを参照して、自分のテーブルのデータとして利用できるようになります。

それでは、これも試してみましょう。

1.まずは、テーブル モデル プロジェクトへ戻って、「商品」テーブルを開きます。

00083

2.次に、一番右に表示される「列の追加」の 1行目をクリックして[fx](式)を入力します。

00084

fx]には、「=R」と入力して「RELATED」関数を選択します。

3.次に、「商品区分」テーブルを開いて、「区分名」列をクリックします。

00085

これにより、RELATED 関数の引数が「=RELATED('商品区分'[区分名]」のように表示されます。RELATED 関数では、テーブル名を '単一引用符)で囲んで、別のテーブルの列を指定することができます。最後に、「)」(関数の終了のカッコ)を追加して、Enter キーを押下します。

これにより、商品テーブルに、区分名が追加されるようになります。

00086

4.次に、新しい列の名前を「CalculatedColumn1」から「区分名」へ変更します。

00087

Note: 利用できる DAX 関数の一覧
fx(式)では、次のように fx ボタンをクリックすると、利用できる関数の一覧とそのヘルプが表示されるので、どういった関数が利用できるのかを簡単に確認することができます。
00088

5.続いて、階層を作成するために、[ダイアグラム ビュー]ボタンをクリックして、ダイアグラム ビューを表示します。

00089

6.ダイアグラム ビューでは、「商品」テーブルの「商品名」と「区分名」を Ctrl キーを押しながら選択し、次のように右クリックして、[階層の作成]をクリックします。

00090

階層の名前は、「商品階層」など任意に設定します。

7.作成後は、[グリッド]ボタンをクリックして、データ ビューへ戻しておきます。

00091

8.次に、Excel 側へ戻って、ピボット テーブルを選択し、[オプション]タブの[更新]ボタンをクリックします。

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9.これにより、「商品」テーブルの下に、作成した階層(商品階層)が表示されるようになります。

00093

10.次に、[行ラベル]へ配置している「区分名」の[]ボタンをクリックして、[フィールドの削除]をクリックし、フィールドを削除します。

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11.行ラベル]が空になったら、今度は階層(商品階層)をチェックして、[行ラベル]へ配置します。

00095

これにより、行ラベルには、区分名(階層の一番上に設定したもの)が表示されることを確認できます。

12.次に、「区分名」を展開すると、「商品名」が表示されて、商品名ごとの受注金額を表示できることを確認します。

00096

このように、複数のテーブルにまたがったフィールドで階層を作成したい場合には、RELATED 関数を利用するようにします。

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