SQL Server のことなら SQL Quality SQL Server パフォーマンス チューニング、コンサルティング、アドバイス、相談、定期診断、トレーニング

ホーム > 技術情報 > SQL Server 実践「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

Microsoft SQL Server 2016 実践シリーズ (HTML 版)
「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2016 実践シリーズの「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2016年 12月時点での情報になります。[2018年12月29日]

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

5.22 データベース メール設定の移行

データベース メールの設定は、msdb データベース(システム データベース)内に格納されているので、別途移行を行う必要があります(以下の画面は SQL Server 2008 の場合)。

00466

◆ データベース メール設定のスクリプト化

データベース メールの設定(メール アカウント)は、Management Studio からは(GUI 操作では)スクリプトを生成することができないので、データベース メールの設定を取得することができる sysmail_accountsysmail_serversys.credentials システム テーブルを利用します。

USE msdb
SELECT FROM sysmail_account m
 LEFT OUTER JOIN sysmail_server s ON m.account_id s.account_id
 LEFT OUTER JOIN sys.credentials ON s.credential_id c.credential_id
00467

メール アカウントの設定は、sysmail_add_account_sp システム ストアド プロシージャを利用して、次のように実行できます。

USE msdb
EXECUTE msdb.dbo.sysmail_add_account_sp
    @account_name            'アカウント名',
    @description             '説明',
    @email_address           'メール アドレス',
    @replyto_address         '返信先なるメール アドレス',
    @display_name            '表示名',
    @mailserver_name         'メール サーバーアドレス',
    @mailserver_type         'SMTP',
    @port                    'ポート番号',
    @username                'メール サーバー認証必要場合ユーザー名',
    @password                '認証必要場合ユーザーパスワード'

@username @password は、認証が不要な場合には省略することができます。

したがって、前出のシステム テーブル(sysmail_accountsysmail_serversys.credentials)を利用して、次のようメール アカウントの設定をスクリプト化することができます。

USE msdb
SELECT '
  EXECUTE msdb.dbo.sysmail_add_account_sp
    @account_name            ''' + a.name '''
    @description             ''' + a.description ''',
    @email_address           ''' + a.email_address ''',
    @replyto_address         ''' + a.email_address ''',
    @display_name            ''' + a.display_name ''',
    @mailserver_name         ''' + s.servername ''',
    @mailserver_type         ''' + s.servertype ''',
    @port                    ''' CONVERT(varchar, s.port''',
    @use_default_credentials ''0'' '
  CASE 
     WHEN c.credential_identity IS NOT NULL THEN
    ',@username                ''' + c.credential_identity '''
     ,@password                ''######''' ELSE '' END
FROM sysmail_account a
  LEFT OUTER JOIN sysmail_server s ON a.account_id s.account_id
  LEFT OUTER JOIN sys.credentials ON s.credential_id c.credential_id

@password は、###### と決め打ちにしているので、認証が必要な場合は、そのユーザーのパスワードへ変更します。

あとは、移行先(SQL Server 2016 上)で、次のようにデータベース メール機能を有効化して、メール プロファイルの追加などを行えば、データベース メールの設定を移行することができます。

-- データベース メール有効化
EXEC sp_configure 'Database Mail XPs', 1
RECONFIGURE
-- メール プロファイル追加
EXECUTE msdb.dbo.sysmail_add_profile_sp
    @profile_name = 'プロファイル名',
    @description  = ''
-- メール アカウント追加スクリプト生成したもの
EXECUTE msdb.dbo.sysmail_add_account_sp
    @account_name            = 'アカウント名',
    @description             = '',
    @email_address           = '@',
           中略
-- メール プロファイルメール アカウント追加
EXECUTE msdb.dbo.sysmail_add_profileaccount_sp
    @profile_name = 'プロファイル名',
    @account_name = 'アカウント名',
    @sequence_number = '1'

00468

sysmail_add_profile_sp でメール プロファイルを追加して(画面は profile1 という名前で作成)、スクリプト生成したものでメール アカウントを作成、最後に sysmail_add_profile account_sp を利用して、作成したメール アカウントをメール プロファイルに追加すれば、データベース設定の移行が完了です。

00469

◆ データベース メールの利用には .NET Framework 3.5 SP1が必要

SQL Server 2016 では、データベース メール機能を利用する場合のみ、.NET Framework 3.5 SP1 が必要になります。これは、次のようにサーバー マネージャーの[役割と機能の追加]ウィザードから簡単にインストールすることができます。

Windows Server 2012/2012 R2 での .NET Framework 3.5 SP1 のインストール
 00470

Windows Server 2016 での .NET Framework 3.5 SP1 のインストール
 00471

[.NET Framework 3.5 Features]の[.NET Framework 3.5]をチェックすることで、.NET Framework 3.5 SP1 をインストールすることができます。これでデータベース メール機能を利用できるようになります。

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

事例1

SQLQualityは執筆とセミナーを通じて技術の啓蒙やエンジニアの育成支援も行っています
最新刊
SQL Server 2016 の教科書
SQL Server 2016 の教科書(ソシム)

弊社オリジナル制作の
SQL Server 2016 自習書も
マイクロソフトのサイトで公開中!
ダウンロードはこちら
セミナー風景
セミナー風景

ロングセラー
ASP.NET でいってみよう  SQL Server 2000 でいってみよう
ASP.NET でいってみよう
第7刷 16,500 部発行
SQL Server 2000 でいってみよう
第12刷 28,500 部発行
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要(Amazon Kindle 書籍)

弊社執筆の
SQL Server 2014 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
目次はこちら

弊社執筆の
SQL Server 2012 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
ダウンロードはこちら
松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加

技術コミュニティでも活動中