SQL Server のことなら SQL Quality SQL Server パフォーマンス チューニング、コンサルティング、アドバイス、相談、定期診断、トレーニング

ホーム > 技術情報 > SQL Server 実践「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

Microsoft SQL Server 2016 実践シリーズ (HTML 版)
「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2016 実践シリーズの「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2016年 12月時点での情報になります。[2018年12月29日]

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

3.4 SQL Server 2016 へのアップグレード インストールの手順

SQL Server 2016 へのアップグレード インストールを行う手順は、次のとおりです。

まずは、SQL Server 2016 のインストール メディアから「setup.exe」を実行します。これにより、次のように[SQL Server インストール センター]ページが表示されます。

00072

このページでは、次のように[インストール]をクリックして、「以前のバージョンの SQL Server からのアップグレード」をクリックします。

00073

これで、アップグレード ウィザードが起動して、SQL Server 2016 へのアップグレード インストールをできるようになります。

プロダクト キー]ページが表示されたら、プロダクト キーを入力して、[次へ]ボタンをクリックします。

00074

次の[ライセンス条項]ページでは、ライセンス条項の内容を確認した上で、[ライセンス条項に同意します。]をチェックして、[次へ]ボタンをクリックします。

00075

次の[グローバル ルール]ページでは、アップグレード要件を満たしているかどうかがチェックされます。

00076

問題がない場合は、自動的に次のページへ進み、問題がある場合(警告や失敗がある場合)にはそれらが提示されます。

次の[Microsoft Update]ページでは、Microsoft Update を利用して、更新プログラムを確認するかどうかを設定して、[次へ]ボタンをクリックします。

00077

次の[製品の更新プログラム]ページは、SQL Server に関する更新プログラムがある場合に表示されます。

00078

SQL Server 製品の更新プログラムを含める]をチェックした場合は、インターネット経由で更新プログラムをダウンロードすることになるので、その分インストールにかかる時間は長くなりますが、更新プログラムがある場合は、更新プログラムを含めておくことをお勧めします。

なお、インターネットに接続できない環境の場合には、次のようにエラー ページが表示されます。

00079

このエラーは、更新プログラムが取得できないという主旨のメッセージなので、[次へ]ボタンをクリックして、次のページへ進んで問題ありません。

次の[セットアップ ファイルのインストール]ページでは、セットアップに必要なファイルがインストールされます。

00080

次の[アップグレード ルール]ページでは、アップグレード要件を満たしているかどうかが再度チェックされますが、問題がない場合は、自動的に次のページへ進みます。

00081

インターネットに接続できない環境の場合には、、Management Studio などの起動が遅くなるという主旨の警告が表示されますが、[次へ]ボタンをクリックして、次のページへ進んで問題ありません。

◆ アップグレードするインスタンスの選択

次の[インスタンスの選択]ページでは、[アップグレードするインスタンス]で SQL Server 2016 へアップグレードする既存の SQL Server のインスタンスを選択します。

00082

既定のインスタンスをアップグレードする場合は、[アップグレードするインスタンス]で「MSSSQLSERVER」を選択して、[次へ]ボタンをクリックします。

次の[機能の選択]ページでは、選択したインスタンスにインストールされている機能に、自動的にチェックが付きます(アップグレード対象になります)。

00083

次の[インスタンスの構成]ページでは、[インスタンス ID]や、インストール先となるフォルダー(ディレクトリ)が提示されます。

00084

アップグレード時は、[インスタンス名]は変更することができないので、インスタンス名はグレー アウトされています(既定のインスタンスの場合は MSSQLSERVER)。インスタンス ID は、内部的にインスタンスを識別するための ID で、既定値はインスタンス名と同じものになります。これは変更することもできますが、インスタンス名と同じにしておいた方が分かりやすいので、変更しないことをお勧めします(インスタンス ID を変更した場合は、インストール先のフォルダーなどがその ID に変更されます)。

SQL Server 2016 は、[SQL Server ディレクトリ]に表示されたフォルダー(C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.13\インスタンスID)にインストールされて、インストール後のフォルダー構成は、次のようになります。

00085

システム データベースなどは、アップグレード前と同じフォルダーを利用しますが、SQL Server 2016 のインスタンスに関する情報は、[SQL Server ディレクトリ]に表示されたフォルダーにインストールされて、各種ツールなど、すべてのインスタンスに共通のファイルが「130」フォルダー配下に格納されます。

次の[サーバーの構成]ページの[サービス アカウント]タブでは、Integration Services サービス アカウントを変更することができます(既存の SQL Server に Integration Services をインストールしている場合)。

00086

Integration Services サービス アカウントには、「NT Service\MsDtsServer130」アカウント(ローカルの内部アカウント)が提示されます。既存の SQL Server でフルテキスト検索機能を利用している場合は、フルテキスト フィルター デーモン サービスのサービス アカウントとして「NT Service\MSSQLFDLauncher」が提示されますが、このアカウントは変更することはできません(このアカウントを利用します)。

ここには表示されない「SQL Server データベース エンジン」や「SQL Server エージェント」のサービス アカウントに関しては、既存の SQL Server の設定がそのまま引き継がれます。

◆ フルテキスト インデックスの再構築

既存の SQL Server で、フルテキスト検索機能を利用している場合は、次のように[フルテキスト アップグレード]ページが表示されます。

00087

フルテキスト検索機能は、SQL Server 2016 で内部アーキテクチャが変更されているので、このページでは[再構築]を選択することで、新しいアーキテクチャに対応させた形にフルテキスト インデックスを再作成することができます。ただし、この再構築は、イチからフルテキスト インデックスを作成するのと同じだけの時間がかかるので、テーブル サイズが大きい場合には、実行時間がかかってしまいます。

これを避けるには、[インポート]を選択して、既存の SQL Server のフルテキスト インデックスをインポート(そのまま取り込み)するようにします。これで、既存の SQL Server 上で作成されたフルテキスト インデックスをそのまま SQL Server 2016 に取り込むことができ、(暫定的に)利用することができます。この場合は、アップグレード後に、手動で再構築を行うことで、SQL Server 2016 の新しいアーキテクチャへ対応させることができます(手動で再構築を行う手順については、第5章で説明しています)。

◆ アップグレード前の最終チェック

次の[機能のルール]ページでは、アップグレードにあたっての条件を満たしているかどうかの最終チェックが行われます。

00088

既存の SQL Server 環境に、互換性レベルが 90SQL Server 2005 レベル)以下のデータベースが存在する場合は、次のようにデータベースの互換性レベルに関する警告が表示されます。

00089

SQL Server 2005 レベルのユーザー データベースは、SQL Server 2016 ではサポートされていないので、SQL Server 2016 へのアップグレードによって、互換性レベルが 100(SQL Server 2008 レベル)に自動変更されるという主旨の警告になります(互換性レベルについては後述します)。

◆ アップグレードの実行

次の[アップグレードの準備完了]ページでは、[アップグレード]ボタンをクリックすることで、アップグレードが開始されます。

00090

アップグレード中は、次のように進行状況が表示されます。

00091

アップグレードにかかる時間は、以前のバージョンでインストールされていた機能の種類や、フルテキスト インデックスを再構築するかどうか、ハードウェア環境(SSD などの高速ストレージかどうか)などによって、大きく前後しますが、15分~1時間30分程度で完了します。

アップグレードが完了すると、次のように[完了]ページが表示されます。

00092

以上で SQL Server 2016 へのアップグレードが完了です。

OS に Windows Server 2012 や 2012 R2 を利用している場合は、アップグレードの完了に OS の再起動が必要になる場合があり、その場合は、次のように表示されます。

00093

◆ SQL Server 構成マネージャーでサービスの確認

アップグレード完了後は、「SQL Server 2016 構成マネージャー」ツールを利用して、サービスが正常起動しているかどうかを確認します。Windows Server 2016 の場合は「スタート」メニュー、Windows Server 2012/2012 R2 の場合はスタート画面の「Microsoft SQL Server 2016」グループから「SQL Server 2016 構成マネージャー」をクリックします。

00094

00095

SQL Server 2016 構成マネージャーが起動したら、SQL Server サービスや、SQL Server エージェント サービスなど、以前のバージョンで利用していた SQL Server 関連のサービスが「実行中」になっていることを確認します。

00096

◆ SQL Server のビルド番号の確認

SQL Server 2016 の製品版(RTM)にアップグレードした後のビルド番号は「13.0.1601.5」です(アップグレード時に、製品更新プログラムを含めている場合には、これよりも高いバージョンになる場合があります)。これを確認するには、次のように sqlcmd ツールを利用して、「SELECT @@VERSION」を実行します(後述の Management Studio のインストールを実行した後であれば、Management Studio から確認できます)。

00097

なお、このバージョン番号は、後述の CU4 を適用すると「13.0.2193.0」、SP1(Service Pack 1)の場合は、「13.0.4001.0」、SP1+CU1 の場合は「13.0.4411.0」に変わります。

◆ 旧バージョンの管理ツールは削除されない

SQL Server 2016 へのアップグレードが完了しても、旧バージョンの管理ツールは削除されずに残っています(サイド バイ サイドで、旧バージョンと SQL Server 2016 の両方のツールを利用できますが、旧バージョンのツールから SQL Server 2016 へ接続できるかどうかは、ツールのバージョンによって異なります)。

00098

00099

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

事例1

SQLQualityは執筆とセミナーを通じて技術の啓蒙やエンジニアの育成支援も行っています
最新刊
SQL Server 2016 の教科書
SQL Server 2016 の教科書(ソシム)

弊社オリジナル制作の
SQL Server 2016 自習書も
マイクロソフトのサイトで公開中!
ダウンロードはこちら
セミナー風景
セミナー風景

ロングセラー
ASP.NET でいってみよう  SQL Server 2000 でいってみよう
ASP.NET でいってみよう
第7刷 16,500 部発行
SQL Server 2000 でいってみよう
第12刷 28,500 部発行
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要(Amazon Kindle 書籍)

弊社執筆の
SQL Server 2014 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
目次はこちら

弊社執筆の
SQL Server 2012 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
ダウンロードはこちら
松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加

技術コミュニティでも活動中