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SQL Server 2014 実践シリーズ (HTML 版)
「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 実践シリーズの「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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1.2 SQL Server 2014 による性能向上(早期導入事例)

既に SQL Server 2014 を早期導入/検証を行っている企業では、次のような性能向上を実現しています。

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◆ 株式会社 gloops では 240倍の性能向上

数多くのソーシャルゲームを提供している「株式会社 gloops」では、SQL Server 2014 のクラスター化列ストア インデックスを利用することで、約240倍の性能向上を実現しています。同社の人気ゲーム「スカイロック」でのユーザー行動分析用 DWH 作成や、ユーザー ランキングの生成に SQL Server 2014 を採用し、従来 12分かかっていたバッチ処理を、わずか 3秒に短縮、テーブル容量は 55GB から、わずか 2.8GB へと、1/20 にも圧縮することができています。

株式会社 gloops での早期導入の詳細については、以下の日本マイクロソフトの事例サイトに記載されています。

株式会社 gloops の事例
http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/gloops.aspx

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◆ 株式会社わかさ生活での事例

ブルーベリーアイでお馴染みの「株式会社わかさ生活」では、SQL Server 2014 のクラスター化列ストア インデックスインメモリ OLTP の早期検証を行って、「処理レスポンス 3秒以内」を目標にスピードアップを目指しています。

株式会社わかさ生活での早期導入の詳細については、以下の日本マイクロソフトの事例サイトに記載されています。

株式会社わかさ生活の事例
http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/wakasa.aspx

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◆ 弊社のお客様「B社」では 1.9倍の性能向上を確認

弊社のお客様「B社」の流通系の「DWH/BI システム」では、SQL Server 2014 のクラスター化列ストア インデックスを利用することで、約1.9倍の性能向上という検証結果を確認しています。

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このシステムは、データ件数約 100億件の流通系の DWH/BI システムで、日中のバッチ処理をストアド プロシージャで行っていて、このストアド プロシージャの総ステップ数は約1万にもなります。SQL Server 2012 上で動作させていたバッチ処理を、ソースを1行も変更することなく、SQL Server 2014 上で動作させただけで(データベースをバックアップ/復元で移行しただけで)約1.2倍の性能向上、クラスター化列ストア インデックスへ変更して、ソースを少し変更したことで約1.9倍の性能向上を確認することができました。

また、データベース サイズは、従来 531GBだったものを 90GB へと、約1/6 にまで圧縮することができました。

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このように、クラスター化列ストア インデックスは、性能向上だけでなく、データベース サイズを大幅に圧縮できる効果もあります。

なお、アップグレードしただけでも約1.2倍の性能向上を実現することができたのは、SELECT INTO でのパラレル処理が効いています(∵該当バッチ処理では、SELECT INTO を利用しているため)。

◆ bwin 社では 16.7倍の性能向上 ~45万 Batch Reqeust/secも~

bwin」社(欧州サッカーでの大手スポンサーとしてもお馴染みの、オンライン ゲームなどを提供している会社)では、SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能を採用/移行することで、従来 1秒あたり 1万5千件Batch Request(SQL Server に対するバッチ要求)を処理していたところを、1秒あたり 25万件もの Batch Request処理をできるようになりました(16.7倍もの性能向上)。

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また、Lab 環境での最新の検証では、450,000 Batch Requests/sec も達成していて、約 30倍もの性能向上を確認しています。

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bwin 社での早期導入の詳細については、以下の米マイクロソフトの事例(Case Studies)サイトに記載されています。
http://www.microsoft.com/casestudies/Microsoft-SQL-Server-2014/bwin.party/Gaming-Site-Can-Scale-to-250-000-Requests-Per-Second-and-Improve-Player-Experience/710000003117

また、本実践シリーズの「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」でも、具体的な利用方法を説明しているので、こちらもぜひご覧いただければと思います。

◆ SBIリクイディティ・マーケット株式会社では 2.5倍 ~国内事例~

日本における FX 取引で有名な「SBIリクイディティ・マーケット株式会社」では、SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能を利用することで約 2.5倍の性能向上(1秒あたりの処理件数が 52,080件から 131,921件へ向上)を実現しています。

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また、同社では、SQL Server 2014 への移行に伴って、アプリケーションのアーキテクチャ変更も実施し、これによって、元々のシステムと比較すると約 30倍もの処理パフォーマンスの向上を実現しています。

SBIリクイディティ・マーケット株式会社での早期導入の詳細については、以下の日本マイクロソフトの事例サイトに記載されています。

SBIリクイディティ・マーケット株式会社の事例
http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/sbilm2.aspx

こちらについても、本実践シリーズの「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」で、具体的な利用方法を説明しているので、ぜひご覧いただければと思います。

◆ Edgenet 社では 8~11倍の性能向上 ~DWH 環境での利用~

海外では、商品データのデータ サービスを提供している「Edgenet」社が DWH(データ ウェアハウス)環境での「ステージング テーブル」へ SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能を採用することで、各種のバッチ処理で 8倍~11倍の性能向上を実現しています。

ETL(データの抽出/変換/ロード)処理においては、1,000万件のデータを処理する際に、従来のシステムでは 2時間 40分もかかっていたところを、インメモリ OLTP 機能を採用することで、わずか 20分で処理が完了するようになっています(以下)。

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詳細については、米マイクロソフトの事例サイト(Case Studies)に記載されています。

Edgenet 社
http://www.microsoft.com/casestudies/Microsoft-SQL-Server-2014-Enterprise/Edgenet/Data-Services-Firm-Gains-Real-Time-Access-to-Product-Data-with-In-Memory-Technology/710000003026

◆ TPP 社では 7倍の性能向上 ~数十万トランザクション/sec~

UK(United Kingdom)では、「TPP」社が、同社の提供している臨床ソフトウェア「SystemOne」に SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能を採用することで、7倍の性能向上を実現しています。このソフトウェアは、主となるトランザクション データベースは 8テラ バイト、1日あたり 6億4000万件のトランザクション、ピーク時には、1秒あたり 34,700件のトランザクションを処理しています。これをインメモリ OLTP へ移行することで、1秒あたり数十万件ものトランザクションを処理できるように性能向上しています。

詳細については、米マイクロソフトの事例サイト(Case Studies)に記載されています。

http://www.microsoft.com/casestudies/Microsoft-SQL-Server-2014/TPP/Clinical-Software-Easily-Supports-Thousands-of-New-Users-and-Helps-Doctors-Save-Lives/710000003430

◆ 弊社のお客様「A社」のポイントカード システム ~2.8倍の性能向上~

弊社のお客様「A社」の「ポイントカード システム」では、SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能を利用することで、約 2.8倍の性能向上という検証結果を確認しています。

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このシステムは、流通系企業でお馴染みの「ポイントカード」における、「ポイントの入金」や「出金」、「残高照会」などを行うのが主なトランザクション処理になります。この負荷テストは、本番のピーク時を想定して、1時間継続して負荷をかけ続けたときのものです(グラフは、1秒あたりの処理量)。

1時間で処理できた件数は、次の表のとおりです。

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インメモリ OLTP を採用することで、1時間あたり 1,726万もの処理を実行できることを確認できました。

このように、インメモリ OLTP 機能を利用すると、オンライン トランザクション系のシステムで大きな性能向上を実現することができます。これらについては、本実践シリーズの「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」で、具体的かつ実践的なな利用方法を説明しているので、ぜひご覧いただければと思います。

◆ インメモリ OLTP も CCSI もハイブリッドに利用できる

SQL Server 2014 は、インメモリ OLTP も、CCSIクラスター化列ストア インデックス)も、通常のテーブルも、同じデータベース内に共存させることができ、ハイブリッドに利用することができます。

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OLTP(オンライン トランザクション処理)を速くしたいのであれば「インメモリ OLTP」、DWH/BI システムでの集計処理を速くしたいのであれば「クラスター化列ストア インデックス」を利用するなど、用途によって適材適所で使い分けができることは、SQL Server の大きなメリットです。

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事例1

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松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加

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