SQL Server のことなら SQL Quality SQL Server パフォーマンス チューニング、コンサルティング、アドバイス、相談、定期診断、トレーニング

ホーム > 技術情報 > Power BI 自習書「Power BI を試しみよう 改訂第2版」

Microsoft Power BI 自習書シリーズ (HTML 版)
「Power BI を試しみよう 改訂第2版」

松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「Power BI を試しみよう」(改訂第2版)の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2017年 3月に提供されていた powerbi.com のサービスおよび Power BI Desktop をもとにしています。[2018年12月29日]

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

4.1 オープンデータへの接続/レポートの作成

Power BI は、オープンデータ(一般公開されている公共データなど)に接続して、レポートを作成することも簡単に行うことができます。

オープンデータについては、総務省の以下のページにまとまっていて、政府の取り組みや、総務省の取り組み自治体の取り組みなどが記載されているので、お勧めです。

総務省のオープンデータ戦略の推進ページ
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/opendata/

00243

◆ データ カタログ サイト(総務省行政管理局が運用)

オープンデータを取得するには、「データ カタログ サイト」を利用するのがお勧めです。

データ カタログ サイト(総務省行政管理局が運用)
http://www.data.go.jp/

00244

このサイトは、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室による企画・立案の下、総務省行政管理局によって運用されている情報ポータル サイトです。

◆ Let's Try ~市町村ごとの人口(男女)のデータを取得~

それでは、データ カタログ サイトを利用して、オープンデータを取得してみましょう。ここでは、総務省が公開している「市町村ごとの人口(男女)」のデータを取得してみます。

1.データ カタログ サイトでは、次のように[データ]メニューから[データセット]をクリックすることで、データを検索することができます。

00245

2.データセットの一覧が表示されたら、次のように左側のペインで[総務省]をクリックして、総務省が公開しているデータのみに絞り込みます。

00246

3.次に、[検索]テキストボックスで「男女別人口及び世帯数」と入力して、[検索]ボタンをクリックします。

00247

検索結果の一覧から「男女別人口及び世帯数・町丁・字等」をクリックします。

4.次に、都道府県の一覧が表示されるので、ここでは「茨城県」を選択して、茨城県の人口を取得する例で説明します。

00248

5.次のように「08茨城県」ページが表示されたら、データを取得するための URL が表示されているので、この URL をコピーします。

00249

なお、[ダウンロード]ボタンをクリックして、ファイル(CSV)をダウンロードした場合は、次のように表示されます(CSV 形式で、茨城県の市町村ごとの男女別の人口が格納されています)。

00250

◆ Power BI Desktop でオープン データの取得(Web 上の CSV の取得)

次に、Power BI Desktop ツールを利用して、上記の CSV ファイルを取得してみます。

1.(Web 上の)CSV ファイルを取得するには、Power BI Desktop の起動画面で、次のように[データを取得]で[その他]の[Web]をクリックします。

00251

2.Web から]ダイアログでは、前の手順でコピーした URL(http://www.e-stat.go.jp/ SG1/estat/Csvdl.do?sinfid=000012670259)を入力して、[OK]ボタンをクリックします。

00252

3.Web ページ(CSV ファイル)への接続が成功すると、次のようにダイアログが表示されて、CSV データの中身(市町村別・男女別の人口)を確認できます。

00253

ここでは、左上のエンコードの一覧から「932 日本語(シフトJIS)」を選択してから、[編集]ボタンをクリックし、クエリ エディターを開きます。

4.クエリ エディターが表示されたら、取り込んだ CSV データが表示されることを確認できます。

00254

5.このように、オープンデータの場合は、余分なデータが多くあるのですが、このような余分なデータでも、Power BI Desktop であれば、簡単に取り除くことができます。余分なデータを取り除く一番簡単な方法は、次のように「空白」行のある列を探して、これを除外することです。

00255

6.空白」の行を除外するには、次のように該当列(画面は Column4)の[]ボタンをクリックして、表示された値の一覧から、「空白」のチェックを外して、[OK]ボタンをクリックします(これで空白の行を除外することができます)。

00256

7.次に、先頭の行を見出しに変更するために、グリッドの左上のセルをクリックして、[先頭の行を見出しとして使用]をクリックします

00257

8.次に、[地域識別番号]列の隣の[]をクリックして、表示された値の一覧から、「1」のデータのみチェックして、[OK]ボタンをクリックします。

00258

地域識別番号]が「1」のデータは、「市町村」に該当するので、これで市町村のデータのみに絞り込むことができます(2 や 3 は、市町村よりもさらに細かいレベルの 1丁目や 2丁目などのレベルのデータになります)。

9.次に、人口データである「総数」と「」、「」、「世帯数」列を Ctrl キーまたは Shift キーを押しながら選択して、選択済みの任意の列(画面は 世帯数)を右クリックして、[型の変更]から「整数」をクリックします。

00259

10.以上で、クエリ エディターでの設定は完了です。完了後、[ホーム]タブで[閉じて適用]をクリックして、レポート デザイナーに移動します。

00260

◆ DAX 式で、文字列連結をした列の作成(都道府県名+市町村名)

次に、DAX(Data Analysis Expressions)式を利用して、「都道府県名」列と「市町村名」列を文字列連結した列を作成します。

1.レポート デザイナーに戻ったら、次のように[データ]をクリックして、「データ ツール」を表示します。

00261

2.データ ツールが表示されたら、[モデリング]タブを開いて、[新しい列]をクリックして、新しい列を追加します。

00262

これで、DAX 式が入力できるようになります。3.7 で説明したように、DAX 式は、Excel の式のようなもので、DAX で用意された関数や、演算(乗算を行う * や、除算を行う /、文字列連結を行う & など)を利用することができます。DAX では、列の名前は [ ] で囲む決まりがあるので、上の例のように、「[」を入力すると、インテリセンス入力補完)機能が働いて、列の一覧が表示されます。ここでは、「都道府県名」列と「市町村名」列を文字列連結するために、「都道府県名」列を選択して、Tab キーを押下しますTab キーを押下することで確定できます)]

3.次に、文字列連結を行う「&」を入力して、「[」を入力します。]

00263

列の一覧からは、「市町村名」列を選択して、Tab キーを押下します

4.DAX 式が確定すると、次のように文字列連結された結果(茨城県水戸市茨城県日立市など)が新しい列として追加されていることを確認できます。

00264

5.次に、「 =」となっている部分を「市町村 =」に変更して、新しく追加した列の名前を「市町村」に変更します。

00265

◆ レポートの作成

1.次に、[レポート]をクリックして、レポート デザイナーに戻ります。レポート デザイナーでは、[市町村]と[総数(男女別)]をチェックします。

00266

市町村ごとの人口(の男女を合わせた総数)がマップで表示されることを確認できます。マップが表示されない場合は、[視覚化]ペインで[マップ]をクリックしてから、[市町村]と[総数(男女別)]をチェックしてみてください。[場所]に[市町村]、[サイズ]に[総数(男女別)]を配置するようにします。

◆ マップのバブルを、男女別の円グラフに変更する

次に、マップのバブルを、男女別の円グラフに変更してみましょう。

1.男女別の円グラフに変更するには、男女のデータが「」ではなく、「」として格納されている必要があるので、クエリ エディターで修正します。クエリ エディターを開くには、[ホーム]タブを開いて、[クエリを編集]ボタンをクリックします。

クエリ エディターでは、次のように[]と[]列を Ctrl キーを押しながら選択して、選択した列を右クリックし、[列のピボット解除]をクリックします。

00267

これで、「」として格納されていた男女のデータを「」に展開することができます。

2.次に、変換された列である「属性」列と「」列の名前を、それぞれ「性別」と「人口」に変更します。

00268

変更後、[ホーム]タブで[閉じて適用]をクリックして、レポート デザイナーに戻ります。

3.レポート デザイナーに戻ったら、次のように[性別]列を、マップの[凡例]、[人口]列を[サイズ]に配置します。

00269

これで、男女ごとの人口を、円グラフで表示できるようになります。

4.最後に、[ファイル]メニューの[名前を付けて保存]をクリックして、任意の名前でレポートを保存しておきます。

以上のように、Power BI では、オープンデータを簡単に取得することができ、柔軟なデータ加工(余分なデータの削除や絞り込み、文字列連結、ピボット解除など)によって、簡単にレポートを作成することができます。

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

事例1

SQLQualityは執筆とセミナーを通じて技術の啓蒙やエンジニアの育成支援も行っています
最新刊
SQL Server 2016 の教科書
SQL Server 2016 の教科書(ソシム)

弊社オリジナル制作の
SQL Server 2016 自習書も
マイクロソフトのサイトで公開中!
ダウンロードはこちら
セミナー風景
セミナー風景

ロングセラー
ASP.NET でいってみよう  SQL Server 2000 でいってみよう
ASP.NET でいってみよう
第7刷 16,500 部発行
SQL Server 2000 でいってみよう
第12刷 28,500 部発行
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要(Amazon Kindle 書籍)

弊社執筆の
SQL Server 2014 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
目次はこちら

弊社執筆の
SQL Server 2012 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
ダウンロードはこちら
松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加

技術コミュニティでも活動中