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Microsoft Power BI 自習書シリーズ (HTML 版)
「Power BI を試しみよう 改訂第2版」

松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「Power BI を試しみよう」(改訂第2版)の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2017年 3月に提供されていた powerbi.com のサービスおよび Power BI Desktop をもとにしています。[2018年12月29日]

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1.1 Power BI の概要

Power BI は、フリーミアム モデルの「BI(Business Intelligence)ツール」および「クラウド型の BI サービス」(SaaS:Software as a Service)です。

Power BI を利用すれば、レポートの作成や共有ができることはもちろん、さまざまなデータソースからデータを取得したり、取得したデータの加工(いわゆる ETL:Extract/Transform/Load やクレンジング処理)までもを行うことができます。しかも、これらはプログラムを一切記述することなく実現することができるので、まさに BI を強力に(Powerful に)推進できるツールです。

Power BI では、次のような分析レポートを簡単に作成することができます。

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ノン コーディングで、多彩なグラフ/チャートを作成することができ、棒グラフはもちろんのこと、折れ線グラフや円グラフ、ツリーマップ、ウォーターフォール(滝)グラフ、地図(マップ)、散布図(バブル)、ゲージ、Funnel(漏斗)、複合グラフ(2Y軸)、面グラフ、マトリックス(クロス集計表)などを簡単に作成することができます。

また、作成したレポートは、モバイル デバイスにも対応しているので、スマートフォンやタブレット(iPhone iPadAndroid 端末など)からも参照することができます。Power BI サイトは、HTML5 で描画されているので、一般的な Web ブラウザーがあれば、レポートを参照することができ、また、参照だけではなく、モバイル デバイスからでもレポートの編集を行ったりすることができます。

次の写真は、スマートフォンから Power BI サイトにアクセスしているときの様子です。

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◆ Power BI の主な特徴

Power BI の主な特徴をまとめると、次のようになります。

● フリーミアム モデル

Power BI は、フリーミアム モデルなので、データ容量が 1GB までなら無料で利用できる(無料版と有償版の違いについては後述)。

● ノン コーディングで、見栄えの良いレポート/ダッシュボードを作成できる

プログラムを記述することなく、簡単にレポート/ダッシュボードを作成できる。多彩なグラフ/チャートが利用可能で、棒グラフや円グラフ、ツリーマップ、ウォーターフォール(滝)グラフ、地図(マップ)、散布図(バブル)、折れ線、面、ドーナッツ、漏斗(じょうご)、ゲージ、カード、マトリックス(クロス集計表)などを利用できる。

● モバイル対応(iOS、Android 端末にも対応)

Power BI サイトは、HTML5 で描画されているので、スマートフォンやタブレット端末からレポートを参照/編集できる。
モバイル向けに最適化されたアプリ(iOS や Android 用の Power BI モバイル アプリ)を利用して、レポートを参照することも可能。

● Google Analytics や Salesforce、Facebook にも対応(SaaS への接続も可能)

Google Analytics や Salesforce、Facebook、Twillio などの他社製サービスやクラウド サービス(SaaS)に接続して、データ分析レポートを簡単に作成することができる。次のように、レポートを作成するためのテンプレートが多数用意されている。

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● オープン データの取得も可能

Power BI は、Web 上のデータ ソース(CSV ファイルや Excel ファイル、HTML の タグ、XML ファイル、JSON ファイル)を取得することもできる。したがって、政府や自治体が一般公開しているオープンデータを取得して、レポートを作成することができる。

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● 統計解析、予測解析にも対応

予測(Forecasting)やクラスタリング(クラスター分析)、クイック インサイト、R ビジュアル機能などを利用することで、統計解析/予測解析レポートも作成できる。

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● 機械学習にも対応

Azure Machine Learning(Microsoft の提供するクラウド サービスの 1つで、機会学習機能を提供)と組み合わせれば、機械学習を利用したレポートも作成できる。

● リアルタイム レポートにも対応(Twitter のリアルタイム分析なども可能)

Power BI では、Power BI REST API や、Azure Stream Analytics(Microsoft の提供するクラウド サービスの 1つで、ストリーム データを処理することが可能)と組み合わせれば、リアルタイム レポート(リアルタイムに、動的更新されるレポート)を作成することもできる。Twitter データの可視化や、IoT(Internet of Things)データの可視化などで利用することもできる。

大量トランザクション データの場合は、Azure Event Hub(Microsoft の提供するクラウド サービスの 1つで、高速なデータ蓄積が可能なサービス)と組み合わせることで対応できる。

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● DirectQuery/ライブ接続によってデータ ソースへの直接のクエリが可能

データ ソースとして SQL Server や SSAS(SQL Server Analysis Services)、Oracle、Amazon Redshift などを利用する場合には、DirectQuery またはライブ接続機能によって、リアルタイムにデータをクエリすることが可能。

● さまざまなデータ ソースからのデータ取得が可能(マッシュアップもできる)

Power BI は、さまざまなデータ ソースからデータを取得することができる。

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以下のデータ ソースからデータ取得が可能で、随時増えている。
Web ページ内の <Table> タグや URLアクセスが可能なファイル(Excel や CSV、XML、JSON、Text など)、Hadoopファイル(HDFS)、SQL Server、Oracle、DB2、MySQL、PostgreSQL、ODBC、OLE DB、SAP HANA、SAP Business Warehouse、Teradata、Sybase、Access、Informix、Microsoft Azure 上の各種サービス(Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouse、Azure Analysis Services、Azure HDInsight、DocumentDB、Azure Data Lake、BLOB/テーブル ストレージ、Marketplace)、OData、Active Directory、Salesforce、GitHub、SweetIQ、Google Analytics、Twillio、QuickBooks、Facebook、Exchange、SharePoint リスト、Dynamic 365、R スクリプトなど。

● データの加工処理が行える(ETL/クレンジング処理が可能)

データソースから取得したデータに対しては、ETL(Extract/Transform/Load)およびクレンジング処理が行えるので、グラフやチャートを作りやすい形にデータ加工できる。異なるデータ ソースをまたがったリレーションシップも作成できるので、マッシュアップが可能。

● インタラクティブなグラフ操作が可能

グラフで選択した項目に連動して、他のグラフが変化する。スライサーやフィルター機能を利用したデータの絞り込みも可能。

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● レポートの共有が可能

作成した Power BI ダッシュボードは、複数のユーザーで共有することができる。

● データの定期更新が可能

データ ソースからの定期的なデータ取得が可能(スケジュール設定ができる)。
自然言語(Natural Language)で、レポートを作成できる

● 質問形式でレポートを作成することができる

Windows 10 で提供された音声認識アシスタントであるコルタナ(Cortana)を利用すれば、人間の声でレポートを作成することもできる(執筆時点では、英語版の OS 環境を用意することで利用できる)。

● 新しい機能がすぐに提供される(常に進化)

Power BI は、2015年 7月の提供以来、1年半以上にもわたって毎月欠かさずアップデート/機能拡張が行われている。本ドキュメントを執筆している2ヶ月の間にも、2回の Update がかかるなど、常に進化している。

Power BI は、マイクロソフトの提供するクラウド サービスである「Microsoft Azure」と同様、ユーザーからのフィードバックによって、それを取り入れて、どんどん進化しています。現在は提供されていない機能であったとしても、それが数ヶ月後には提供されている、といったことも、筆者はこれまでに何度も遭遇しているので、気になるところがあったら、フィードバックを送信しておくことをお勧めします。

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松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
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第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
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第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
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第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
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第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
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第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
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第22回 チューニングに王道あらず
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