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SQL Server 2014 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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3.4 Azure SQL Database での性能監視方法

(2015年1月時点での情報)

Azure SQL Database では、「dm_db_resource_stats」という動的管理ビューが用意されていて、CPU 利用率ディスク I/Oログ書き込み率メモリ利用率を確認することができます。

00236

15秒ごとに監視データ(CPU 利用率やディスク I/O など)が取得されていて、(現在は)直近1時間分のデータを参照することができます。これを利用すれば、現在のパフォーマンス レベルで CPU が足りているのか、メモリが十分に足りているのかなどを判断することができるので、大変便利です。

この「dm_db_resource_stats」ビューの結果は、Azure ポータルで、グラフィカルに確認することもできます。これを行う手順は、次のとおりです。

1.まずは、[データベースの構成]ブレードで、[リソース使用率]をクリックします。

00237

これにより、[メトリック]ブレードが表示されて、詳細を確認できるようになります。グラフには、既定で[DTU PERCENTAGE]が表示されますが、これは、「CPU 利用率ディスク I/Oログ書き込み率」のうち、現時点で、最も値が大きかったものが表示されます(詳しくは後述します)。なお、執筆時点では、[メトリック]ブレードに表示されるグラフは、[リソース使用率]パネルのグラフよりも 1分遅れた値になっています。

2.グラフでは、次のようにマウス オーバーすると、その時点での値を確認することもできます。

00238

◆ グラフのカスタマイズ(CPU 利用率やディスク I/O などを追加)

グラフは、CPU 利用率ディスク I/Oログ書き込み率の値を表示するようにカスタマイズすることもできます。

1.グラフをカスタマイズするには、次のようにグラフを右クリックして、[グラフの編集]をクリックします。

00239

2.これにより、[グラフの編集]ブレードが表示されるので、次のように[時間の範囲]で「過去1時間」、[グラフの種類]で「折れ線」を選択します。

00240

次に、[CPU percentage]と「Disk I/O percentage」、「Log I/O percentage」をチェックして、[保存]ボタンをクリックします。

これで、グラフに CPU 利用率やディスク I/O、ログ書き込み率が追加されるようになります。

00241

DTU PERCENTAGE には、、CPU percentage(CPU 利用率)とDisk I/O percentage(ディスク I/O)、Log I/O percentage(ログ書き込み率)のうち、最も値が大きかったものが表示される形になっています。

◆ DTU の考え方/ボトルネックの確認方法

(2015年1月時点での情報)

前述したように、Azure SQL Database では、DTU という単位で、パフォーマンス レベルが決定しています。

00242

Basic S0 は、価格が安い分、大きな制限を受けるエディションになっているので、簡単に CPU 利用率が 100% を使い切っている状態になったりします。

例えば、次のようにクエリを実行すると、CPU 負荷を高くすることができます(Basic エディションを利用している場合は、実行に 6分ぐらいかかります)。

DECLARE @i int = 1
WHILE @i <= 1000
BEGIN
      DECLARE @kekka float
      SELECT @kekka RAND(aFROM t1 ORDER BY NEWID()
      SET @i += 1
END

このときの状況を dm_db_resource_stats 動的管理ビューで確認すると、次のようになります。

00243

この結果は、Basic エディションの場合のもので、avg_cpu_percent(15秒間の平均 CPU 利用率)が 100% を使い切っている状態であることを確認できます。

このように、100%近辺を推移している(リソースを使い切っている)ということは、エディション/パフォーマンス レベルを上位のものに変更すれば、性能を上げられる可能性がある、ということを意味しています。

なお、動的管理ビューの結果は、次のようにグラフで確認することもできます。

00244

CPU percentage 最大100%なので、DTU PERCENTAGE 100%と表示される形になっています。DTU PERCENTAGE は、CPU、ディスクI/O、Log Write(Log I/O)のうち、いずれかの最大値を表示しているだけになります(3つのうち、どれかが高い値を示している、ということを知るための情報になっています)。

同じクエリを Standard エディションの S1 で実行した場合は、次のようになります。

00245

実行時間は、1分半ぐらいになり、Basic の場合の約 6分と比べると、非常に速くなっています。しかし、CPU 利用率が 100%近辺を推移している(リソースを使い切っている)ということは、上位のパフォーマンス レベルに変更すれば、さらに性能を上げられる可能性がある、ということを意味しています。実際に、Premium エディションの P1 で同じクエリを実行した場合には、わずか 18秒程度で処理が完了します。

このように、Azure SQL Database の性能においては、dm_db_resource_stats 動的管理ビューの 4つの指標(CPU 利用率、ディスク I/O、Log Write、メモリ利用率)に注目して、パフォーマンス レベルを選択していくことができるようになっています。

◆ 書き込み中心処理の場合 ~Log Write:ログへの書き込み~

INSERT UPDATESELECT .. INTOインデックスの再構築など、書き込みが中心となる処理の場合は、トランザクション ログへの書き込みが行われるので、次のように、avg_log_write _percent(ログ書き込み率)が 100%近辺を推移している(リソースを使い切っている)状態になります。

00246

このように、ログ書き込み率が高い値を示して、性能が出ていない場合には、Premium エディションへ変更することで、高速ストレージの恩恵を受けることができます。あるいは、この状況のときに CPU 利用率が高くないという条件が付きますが、データ圧縮(行圧縮やページ圧縮)や列ストア インデックスを利用して、書き込み量を減らす、という対処方法もあります。

◆ メモリが足りていない場合の処理 ~ディスク I/O~

データがメモリに載りきらず、メモリが足りていない状態の場合には、次のように、avg_disk_io _percent(ディスクI/O)が高い値を推移している状態になります。

00247

この値は、データ ファイルとの I/O を表していて、メモリが足りていない場合には、データ ファイルからの読み取り(I/O)が発生することになります。したがって、このようにディスク I/Oが高い値を推移している場合は、メモリが足りていない可能性が高くなります。この場合は、上位のエディションに変更できれば、利用可能なメモリ量が増えるので、メモリ不足が解消できる可能性があります。あるいは、この状況のときに CPU 利用率が高くないという条件が付きますが、データ圧縮(行圧縮やページ圧縮)や列ストア インデックスを利用して、データの読み取り量を減らす、という対処方法もあります。

また、このような場合は、インデックス チューニングを行って、適切なインデックスを作成したり、データ パーティション(パーティション インデックス)を構成して、特定のパーティション データのみを処理するように変更することで、性能を向上させていくこともできます。

◆ SET STATISTICS IO ON でメモリが足りていないかを確実にチェック

メモリが足りていないかどうかを確実にチェックしたい場合には、SQL Server でお馴染みの SET STATISTICS IO ON コマンドを実行して、Read-Ahead Reads(先行読み取り数)や Physical Reads(物理読み取り数)を確認するのがお勧めです。

SET STATISTICS IO ON
00248

Read-Ahead Reads Physical Reads は、初回の実行時は、仕方のないことですが(メモリ内のキャッシュに配置)、同じクエリの 2回目以降の実行時にも、これらの値が表示されるということは、メモリが足りていない状態(メモリ内にないのでストレージからデータを取得しなければいけなかった)と判断をすることができます。

なお、メモリが足りていなかったとしても(Read-Ahead Reads Physical Reads が発生したとしても)、Premium エディションであれば、高速ストレージが搭載されているので、数GB レベルの読み取り量であれば、数秒で読み取ることが可能です。

◆ 並列クエリ ~P2、P3~

(2015年1月時点での情報)

V12 Premium エディションでは、並列クエリ(CPU の複数コアをパラレル利用して、クエリ処理を高速化できる機能)がサポートされているので、CPU 負荷の高いクエリの場合には、P2 P3 へ変更することで、性能が向上する可能性があります(執筆時点では、P1 での並列クエリの実行は確認することができませんでしたが、今後のバージョン アップでは、P1 でも並列クエリが利用できるようになるかもしれません)。

並列クエリになっているかどうかは、次のように実行プランを見ることで確認することができます(Parallelism アイコンがある場合が、並列クエリです)。

00249

以上のように、Azure SQL Database では、dm_db_resource_stats 動的管理ビューまたは Azure ポータルの[リソースの利用率]グラフを利用して、CPU 利用率ディスク I/Oログ書き込み率メモリ利用率などを確認して、パフォーマンス レベルを選定していくことができます。

アクセスの多い昼間には、上位のパフォーマンス レベルを利用して、アクセス数の少なくなる深夜には下位のパフォーマンス レベルに下げる、といった利用方法もとることができます。

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事例1

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第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
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