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SQL Server 2012 自習書 「No.18 セキュリティ」(HTML 版)

松本美穂と松本崇博が執筆した完全オリジナル SQL Server 2012 自習書シリーズの「No.18 セキュリティ」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2013年12月29日]

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5.1 透過的なデータ暗号化(TDE: Transparent Data Encryption)

◆ 透過的なデータ暗号化

透過的なデータ暗号化は、データベース内のオブジェクトをすべて暗号化できる機能です。SQL Server 2005 のときには、EncryptByKey DecryptByKey を利用した暗号化機能が提供されていましたが、この機能を利用するには、アプリケーションを修正する必要がありました。そこで、SQL Server 2008 からは、アプリケーションを修正しなくてもよい(アプリケーションからは透過的に利用できる)暗号化機能として、透過的なデータ暗号化機能が提供されました。

透過的なデータ暗号化では、データベースに対して暗号化を設定するだけで、データベース内のすべてのオブジェクトが暗号化されるようになります(データ ファイル全体を暗号化することができます)。また、バックアップ ファイルも自動的に暗号化されるようになります。これにより、データ ファイル(.mdf)やハード ディスクが盗難に遭ったり、バックアップ テープが持ち出されてたとしても、(暗号が解読されない限り)データが読み取られることはありません。

◆ Let's Try

それでは、これを試してみましょう。

1.まずは、「enc」という名前のデータベースを任意の場所(C:\ など)へ作成します(CREATE DATABASE が失敗する場合は、「C:\」への書き込み権限を与えるか、書き込み権限のあるフォルダーを指定して作成してください)。

USE master
go
CREATE DATABASE enc
ON PRIMARY
 ( NAME = 'enc',
   FILENAME = 'C:\enc.mdf' )

2.次に、CREATE MASTER KEY ENCRYPTION ステートメントを利用して、マスター キーを作成します。

USE master
go
CREATE MASTER KEY ENCRYPTION
 BY PASSWORD = '>StrongPassword>'

00155

3.次に、CREATE CERTIFICATE ステートメントを利用して、サーバー証明書を「MyServerCert」 という名前で作成します。

CREATE CERTIFICATE MyServerCert
 WITH SUBJECT = 'My Certificate'

00156

4.続いて、このサーバー証明書を利用して、データベース暗号化キーを作成します(CREATE DATABASE ENCRYPTION KEY ステートメントを利用します)。暗号化アルゴリズムには、AES_128AES_192AES_256 などを選択できますが、今回は、次のように AES_128 を指定して作成します。

USE enc
go
CREATE DATABASE ENCRYPTION KEY
 WITH ALGORITHM AES_128
  ENCRYPTION BY SERVER CERTIFICATE MyServerCert

00157

実行後、証明書のバックアップに関する警告が表示されますが、これについては、後述します。

5.次に、ALTER DATABASE ステートメントを利用して、データベースに対して透過的なデータ暗号化を有効化します。

ALTER DATABASE enc
 SET ENCRYPTION ON

00158

以上で設定が完了です。

次に、この「enc」データベース内へテーブルを作成して、データを追加し、バックアップを実行してみましょう。

USE enc
go
-- テーブル作成
CREATE TABLE t1
( a int , b varchar(100) )
-- データ 3追加
INSERT INTO t1
 VALUES
     (1, 'aaaaaaaaaa')
    ,(2, 'あいうえ')
    ,(3, '暗号化されている')
    
SELECT FROM t1
-- データベースバックアップ
BACKUP DATABASE enc
 TO DISK = 'C:\enc.bak'

00159

次に、正しく暗号化されたかどうかを確認するために、SQL Server サービスを停止し、停止が完了した後に、データ ファイル「C:\enc.mdf」を任意のバイナリ エディター(Stirling など)で開いてみましょう。

00160

バイナリ エディターで開いても、どういったデータが格納されているかを読み取ることはできず、きちんと暗号化されていることを確認できます。同じように、バックアップ ファイル「C:\enc.bak」についても暗号化がされていることを確認しておきましょう。

なお、暗号化をしていないデータベースをバイナリ エディターで開いた場合は、次のようにデータを読み取ることが可能です。

00161

◆ GUI での設定方法

手順4「データベース暗号化キーの作成」と手順5「データベース対して暗号化を有効」については、Management Studio から GUI ベースで設定することもできます。これは、次のように対象となるデータベースを右クリックして[タスク]メニューの[データベース暗号化の管理]をクリックして行えます。

00162

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