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SQL Server 2012 自習書シリーズ (HTML 版)
新機能編 No.3「DWH(データ ウェアハウス)関連の新機能」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2012 自習書シリーズの「新機能編 No.3 DWH 関連の新機能」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2014年12月26日]

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1.2 SQL Server 2012 で提供される主な DWH 新機能の概要

SQL Server 2012 には、非常に多くの DWH(データ ウェアハウス)関連の新機能が提供されています。ここでは次の 4つに分けて概要を説明します。

  • 列ストア インデックスによる飛躍的な性能向上
  • DQS(Data Quality Services)によるデータ品質の向上
  • DWH/BI(データ分析)で役立つ Transact-SQL 分析関数のサポート
  • BI(ビジネス インテリジェンス)関連の機能強化

◆ 列ストア インデックスによる飛躍的な性能向上

SQL Server 2012 では、データベース エンジンおよび DWH(データ ウェアハウス)エンジンの機能強化として「列ストア インデックス」が提供されました。このインデックスは、SQL Server 2008 R2 PowerPivot で実装された xVelocity エンジンインメモリのカラムベース エンジン)を RDB へ応用したものです。このエンジンでは、列単位でインデックスを格納し、それらは高度に圧縮されています。

列ストア インデックスは、大量のデータに対する集計処理時に大きな性能向上を期待できる機能です。特に、夜間バッチ処理時(夜間バッチでの日次集計や月次集計処理など)や、DWH(データ ウェアハウス)環境での集計処理時に大変役立つ機能です。弊社のお客様データ(1億2千万件の DWH)を利用して、列ストア インデックスの性能効果を検証したところ、以下のような結果が得られました。

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詳細は Step2 で説明していますが、列ストア インデックスを採用することで、25~102倍もの性能向上を確認することができました。

列ストア インデックスは、作成も簡単で、次のように操作するだけで作成できます。

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◆ DQS(Data Quality Services)によるデータ品質の向上

DQS(Data Quality Services)は、データ ウェアハウスの構築に欠かせない、データ品質の向上が可能になる機能です。DQS を利用すると、いわゆる「データ クレンジング」や「名寄せ」といった処理が可能になり、データ品質に問題がある場合同一データが異なる形式で格納されていたり入力ミスなどで不正なデータが格納されていたりする場合)を解決することができるようになります。

以下の画面は、DQS ツールを利用して、間違ったデータを正しいデータへ変換するためのルールを定義しているときの様子です。

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また、このような名前の修正(変換)だけでなく、文字列の長さが正しいかどうかをチェックしたり(たとえば商品コード5桁かどうかをチェックしたり)、正規表現を利用したデータのチェックを行ったりすることも可能です。

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このように DQS ツール上で作成したルール品質チェックは、次のように Integration Services の「DQS クレンジング」タスクを利用することで、実際の処理を実行することができます。

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◆ データ分析で役立つ分析関数のサポート

SQL Server 2012 では、DWH/BI で役立つ Transact-SQL 分析関数(Analytic Functions)が多数サポートされるようになりました。LEAD LAGCUME_DIST 関数などのサポートや、ウィンドウ操作が可能な OVER 句がサポートされたことによって、データ分析でよく利用する計算値(累積値や比率、前年同月値、移動累計、移動平均など)を簡単に計算可能になりました。

以下の画面は、前年同月や、累積金額を取得しているときの様子です。

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◆ BI 関連の主な新機能

SQL Server 2012 では、BI(ビジネス インテリジェンス)関連の機能も大きく強化されています。その主なものは、次のとおりです。

Power View による、より容易なデータ分析レポートの作成

SQL Server 2012 では、Power View と呼ばれる、新しいデータ分析/レポーティング ツールが提供されました。Power View を利用すると、従来のレポーティング ツールであるレポートビルダーや、高度なデータ分析が可能な PowerPivot for Excel ツールよりも、容易に見栄えの良いデータ分析レポートを作成することが可能です。以下の画面は、データ分析レポートを作成しているときの様子です。

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このように、より使いやすいレポーティング ツールが登場したことで、エンドユーザーが自らレポートを作成する「セルフ サービス データ分析」がより実現しやすくなりました。

・PowerPivot for Excel の強化(バージョン アップ)

SQL Server 2012 では、PowerPivot for Excel がバージョン アップして、ダイアグラム ビューや KPI、書式、並べ替え列、ドリルスルー、階層、親子階層、BLOB データのサポート、DAX 関数の強化など、多数の新機能の提供により、さらにパワフルなデータ分析レポートが作成可能になりました。以下の画面は、KPI をグラフィカルに設定しているときの様子です。

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・Analysis Services でのテーブル モデルのサポート(xVelocity インメモリ BI)

SQL Server 2012 では、Analysis Services テーブル モデル(Tabular Model)が提供されました。テーブル モデルの最大の特徴は、「インメモリでの動作」と「ロールを利用した行レベルのセキュリティ」、「パーティショニング」機能が利用できる点です。これにより、セキュリティ強化ビッグデータへの対応性能向上を実現することも可能になりました。

テーブル モデルは、xVelocity モード(PowerPivot で採用されたインメモリのカラムベース エンジン)で動作する Analysis Services 上へ配置することが可能なモデル構造です。以下の画面は、テーブル モデルのプロジェクトを作成しているときの様子です。

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Reporting Services のデータ警告 Alert)機能

SQL Server 2012 では、Reporting Services の新機能の 1つとして「データ警告」機能が提供されました。この機能を利用すれば、レポート内のデータを利用して、特定のルールに基づいて、メールを送信するといったことを簡単に行えるようになります。たとえば、「在庫<=発注点」というルールを設定して、在庫が発注点を下回ったら、メールを送信する、という設定の場合は、次のように設定することができます。

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Reporting Services での Excel エクスポート時のフォーマットの変更(xlsx形式へ)

・Integration Services のユーザー インターフェース変更(操作性の向上)

・MDS(マスター データ サービス)の Excel アドイン

これらの BI 関連の新機能については、本自習書シリーズの新機能編 No.4「BI 新機能ダイジェスト」で詳しく説明しているので、こちらもぜひご覧いただければと思います。

このように、SQL Server 2012 では多くの DWH/BI 関連の新機能が提供されています。中でも一番の目玉機能は、「列ストア インデックス」による飛躍的な性能向上です。以降では、これらの新機能を簡単に試せるように、ステップ バイ ステップ形式で画面ショット満載で説明しますので、ぜひ試しながら読み進めてください。

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松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回:iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回:PASS Summit 2012 参加レポート
第31回:SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回:SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回:書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回:SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回:SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回:SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回:Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
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